術法 腰椎椎間板ヘルニア手術の種類と特徴
顕微鏡型手術 Love法
成功率は95%以上で長い歴史のある手術です。
1940年台からほぼ同じ手術をしています。
全身麻酔で、背中から腰の皮膚を5センチ程度切り、椎間板ヘルニアを取り除いていく手術です。
椎間板ヘルニアを取り除くと、神経の圧迫も取り除くことができます。
ちなみに私と同日に手術した人は15cmも腰を切ったそうです。
術後のリハビリも大変苦しそうでした。
症状、部位、切除箇所によって皮膚を切る幅はそれぞれのようです。
内視鏡型手術 MED法
内視鏡下椎間板切除術(Micro Endoscopic Discectomy: MED)といわれるものです。
細い内視鏡を挿入しながら腰椎椎間板ヘルニアを取り除いていきます。
前述の顕微鏡型手術と比較して背中を切る長さが半分くらいで済みます。
小さな傷で済むので、切らなければいけない筋肉も少なくなり、手術後の痛みも少なくなります。
ただし、熟練を要する手術であり、可能な施設や医師は限られます。
医師の説明ではこちらの方が難しい手術なのでおすすめしないと言われました。
言いづらいのですが、失敗する確率は顕微鏡型手術が圧倒的に多いといわれています。
もしかしたら、保存的治療を勧める原因は内視鏡型手術をおすすめしないという意味かもしれません。
手術の前段階
手術前に造影剤投与後のレントゲン検査とCT検査、MRI検査を受ける必要があります。
痛みが強い人は要注意です。
検査中、激痛のあまりじっと静止する事ができません。
検査中に静止する事ができず、動いてしまったら何度も撮影をやりなおししなければなりません。
撮影のやりなおしをすると検査が長引いてしまいます。
長引けばその後の安静期間も長くなります。
看護師や医師が時間をとって病院が設備を開けてくれたのに、後日取り直しというわけにはいきません。
検査中に静止する事、これが激痛の椎間板ヘルニア患者にとっては地獄です。
上記が造影剤を背中から投与した後に取ったレントゲン画像です。
あまりの激痛で手術を受ける前に悶絶してしまいました。
椎間板ヘルニア手術を受けるケース できないケース
手術の必要がないケース
椎間板ヘルニアと診断されても手術の必要がない場合もあるそうです。
どういったケースかというと、椎間板ヘルニアは2ヶ月程度で神経を圧迫しているヘルニアが融けて腰痛が改善されるというケースです。
脊椎、骨から飛び出したヘルニアを体が拒絶反応を起こし、異物とみなして外に排除しようとする体の働きによるものだそうです。
2ヶ月間、安静と薬の投与で椎間板ヘルニアによる腰痛がなくなる、または軽減する確率は50%とも80%とも言われているようです。
保存的治療を行うか手術に切り替えるかは医師によって判断は違うようです。
インターネットの情報の多くは「手術=悪」と書かれています。
椎間板ヘルニアでの手術実績などの統計を調べてみましたが、厚生労働省などの公的機関の数値もないため大変悩みました。
すぐにでも手術を受けるケース
医師の診断で即手術というケースもあります。
排泄障害を発症している場合です。
痛みのせいで便意、尿意が感じられない重篤なケースもあります。
また、それほどの痛みでもないのに排泄障害の場合も即手術になる可能性が高いです。
手術を受けることができないケース
また、手術ができないケースについても医師が説明を受けました。
検査の結果、突出しているヘルニアが小さい場合です。
これはどんなに痛みがあっても小さすぎたら手術で取り除けないそうです。
どのくらいの大きさかは手術する医師の判断です。
手術に至るケースは少数というけれども十分な注意は必要
様々なウェブサイトを見ていると手術に至るケースは少数で、ほとんどの人は保存的治療で治ると書かれています。
しかし、私はその少数の側に入ってしまいました。
「椎間板ヘルニアによる手術は少数だから大丈夫」というわけではなく、おそらく手術が必要なケースは以外と多いような気がします。
手術をするかしないかを分けるのは「痛みはあるが我慢できる」という人たちが多いのではないかと思います。
どういうことかというと「我慢強い人」ほど手遅れになってから病院に駆け込んで手術というパターンが多いのではないでしょうか。
自分で我慢強いと言うのもアレですが・・・
椎間板ヘルニアによる手術が必要な「予備軍」はかなりの数になるのではないでしょうか?
手術にならないように十分に気をつけてください。