退院までの流れ
一般的な椎間板ヘルニアの手術では通常抜糸までに10日間、その後更に10日前後の入院治療後に退院という流れになります。
したがって20日前後の入院期間が必要という事になりますね。
通常、筋骨系に対して行なわれる手術は抜糸前に退院して日常生活に戻る作業に慣れて、抜糸後すぐに仕事や学校などに復帰するという流れになりますが、脊椎の手術である椎間板ヘルニア手術は運動障害が残るリスクがあり、術後しばらくの間はリハビリが必要となります。
そのため退院後も1ヶ月程度は継続してリハビリ治療を行なうため社会復帰までには1~3ヶ月程度の期間が必要であり、外来でのフォローは最低でも手術翌日から起算して3ヶ月は必要となるというのが目安になっています。
しかし、内視鏡型手術は手術翌日に退院する人もいるようです。
内視鏡での腰椎椎間板ヘルニア手術
現在のところ内視鏡下で行なう椎間板ヘルニア手術は腰椎に限定されているのが現実です。
頸椎椎間板ヘルニアに対しても理論上は可能なのですが非常に高度なスキルが求められる手術のため、執刀出来る医師が非常に少ないというのが現状なのです。(腰椎椎間板ヘルニアについてもまだ実施している医療機関は少ないのが現状です)
ただし、内視鏡手術のメリットは切開範囲が狭く、麻酔も腰椎麻酔で可能な事から侵襲も少なく予後も良好なので、入院期間は1週間程度で済みます。
また退院後の自宅療養期間も10日前後で軽作業が可能なまでには回復するため、仕事の内容によっては仕事への復帰も1ヶ月以内で可能になります。
手術時の侵襲が少ない事から中枢神経へのダメージも少なく、リハビリも短期間で済むケースが多いので、腰椎椎間板ヘルニアに対しては非常に有効な根治術であると言えます。
椎間板ヘルニア手術のメリットとデメリット
対して顕微鏡での手術は術後3カ月から半年という長い期間様子を見る必要があります。
すぐに退院、軽作業をするケースもあるようですが、体に異常をきたすケースが見受けられます。
内視鏡での手術は手術後すぐに退院、仕事内容によりますが、すぐに仕事復帰もできるようです。
しかし、高度なスキルが求められるため、専門医も少なく、成功率も従来の手術と比較すると低いと言われています。
上記の理由により、手術による治療より薬と安静による保存的治療が好まれていると考えます。
しかし、保存治療により2カ月程度で症状が改善されれば良いですが、半年から2年という長いスタンスの保存治療法は効果がないように思います。
これは実体験を基づいた結果です。
2年もの間、足を引きずりながら仕事をすることはかなり難しいと思いますし、別の病気を疑った方が良いかもしれません。
どちらにしても、保存治療から手術への治療方針の切り替えを速やかに行うことが痛みの改善の近道です。